VStitcherを授業で活かすには?教育現場での活用アイデアと学生の変化【VStitcher × 企業①】
- 3D担当
- 7月2日
- 読了時間: 4分

はじめに
前回までは、アパレル3Dを活用した教育機関向けの話を投稿しました。
今回はその先である、就職先の企業向けにアパレル3Dと人材について
お話していこうと思います。
前回ご紹介したように、現在服飾系の教育機関ではVStitcherのような
アパレル3Dの導入が進んでいます。
これらのツールを使える学生に、どのような価値があるのかを理解して
いただけるような内容になれば嬉しいです。
採用の基準が見直される今、何を評価するか?
かつてはアパレルにおいては「描ける/縫える」が即戦力の条件でした。
ですが今、商品開発や販促・ECの現場では、考えてカタチにし、
ビジュアルで伝えられる人材が求められつつあります。
これらのVStitcherのような3DツールやAIなどを活用し始めている
学生たちは、まだ道の途中ではありますが、これからのアパレル現場に
必要な力の素地を持ち始めています。
アパレルにとって理想的な次世代デザイナー像とは?
発想をスピーディにカタチにできる人
AIツールでラフ案を生成→Photoshopで仕上げ→すぐにプレゼン可能!
Chat GPTやMidjourneyのような画像生成ができるAIツールを使って、
ラフ案のイメージ画像をいくつか生成して、それらの画像を素材に
Photoshopで加工&編集をして、すぐにプレゼン資料を作成できます。
立体的な視点で着用を考えられる人
VStitcherでサイズ感・素材感・グラフィックの配置を視覚化できます。
過去の記事でもいくつか紹介してきましたが、VStitcherのような
3Dツールを使えば、実サンプルを作る前に上記の確認が簡単にできます。
つくる前に3Dでカタチにして確認できると、
先を読んだ調整・提案が可能です。
例えば、タックスカートにチェック柄を乗せてみたらタック部分に
チェックが入り込んじゃって微妙な感じになってしまった。。

微妙な感じも含めて、3Dですぐにつくる前に確認できます。
実際に上がったサンプルを確認してボツになることを事前に防げます。

VStitcherでは柄の移動や回転・拡大縮小ができるので、
チェック柄をバイヤス風に45°回転して、拡大してみました。
既存の柄でも、少し調整するだけで印象を変えて確認することができます。
柄の他にも、ダーツを移動するなどのパターン編集によってカタチを変える
こともできますよ。
こちらの記事でもご紹介しています。
他者に伝える力を持っている人
資料提案、SNS用画像、合成スタイル提案。。。
伝わる表現ができる人は、チームの中でも「伝える役」として
価値を発揮できます。
VStitcherやAIツールを使えるということは、実物の画像を撮影するよりも
より早くより多くの画像を取得することができます。
それらを資料づくりやスタイル提案などに活かせる可能性があります。
こういった能力は今すでに完璧に使いこなせる人材ではありません。
ですが、この方向性で学び・実践を積んでいる学生が増えいているという
現実こそが、企業にとってのチャンスであると考えています。
業務の中で活きる場面はこんなにある
EC・販促のスピード感
実際に撮影する前に、衣服を3D化して背景画像と合成してSNS告知
3D化した衣服の画像があれば、好きな背景画像と合成して商品の
雰囲気やイメージを伝えやすいです。
実際の撮影では難しかったり、スケジュールが間に合わないような
場合でも、簡単にイメージにできますよ。
こちらの記事でも、3DとAIツールを使ったスタイル提案について
ご紹介していますので、ぜひご覧ください。
他にも、柄パターンをAIを使って量産して、すぐに社内共有することも
可能です。
Illustratorの生成パターンというAI機能を使えば、すぐに柄を生成できるので
それらを商品に反映したときのイメージを、
すぐに確認できるということです。
以前、靴下を使って量産パターンを考えてみた記事がありますので、
こちらも合わせてご覧ください。
グラフィック展開・派生制作
グラフィックをAIツールで作成して、3Dツールでどこに配置するかを
確認しながら商品イメージを具体化することができます。
こちらでTシャツにのせた場合の事例を紹介していますので、
よろしければご覧ください。
もちろん既存のグラフィックがあれば、3Dツールでそれを他の
アイテムにのせて商品イメージを作成して、派生商品展開を
どんどんつくっていくこともできますよ。
派生商品であれば、新商品よりも提案がしやすいですし、
新人さんでもチャレンジしやすいと思います。
まとめ
3DツールやAIを扱う学生たちは、単に操作ができるのではなく、
次の時代の発想法を身につけつつあります。
彼らが企業に入ることで、
「試作の前に共有する」
「見せてから判断する」
といった、意思決定のスピードや質にもいい影響が出てくると
考えています。
即戦力とは、育成されて伸びる力を持った人材であり、
今その芽に出会えるタイミングかもしれません。
次回では、こういった人材の指導や受け入れ体制について
ご紹介していければと思います。
それでは、また次回~
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