Blenderラックで魅せる3D表現【VStitcher × ハンガーがけ②】
- 3D担当

- 8月27日
- 読了時間: 4分

はじめに
空間があると、印象が変わる
前回は、VStitcherのハンガーがけ機能を使って、
服単品でもシルエットや素材感が伝わることを紹介しました。
でも、こんな風に思いませんでしたか??
「もっと空間ごと見せれたらいいのに。。。」
「単純な合成だと、質感やライティングがチグハグになっちゃう。。。」
今回は、そんなときに便利な方法をご紹介します!
Blenderでつくったハンガーラックと3D空間を合わせていきます。
Blenderって何??
まずは本題に入る前に、Blenderについて少しご紹介します。
Blenderは、アニメやゲームなどのCG制作にも使われている、
無料の3D制作ツールです。
オープンソースで誰でも自由に使える上、
モデリング(カタチをつくる)
ライティング(光を当てる)
レンダリング(画像化する)
など、3D制作に必要な機能がすべて詰まっている
すごいツールなんです。
しかも無料なんです。
今回はこのBlenderを使って、
服を吊るすハンガーラックや、床、
ライトなどの空間パーツをつくって、
VStitcherでつくった服の3Dデータを組み合わせていきます。
一見難しそうに感じるかもしれませんが、
使うのはシンプルなカタチ(棒や箱)だけです。
Blenderで空間ごとつくるメリット
VStitcherでつくった服をそのまま3D形式で書き出しできる
VStitcherは、今までご紹介してきた画像や動画の他に、
GLBやOBJなどの3D形式でも書き出しが可能です。
3D形式に書き出すことで、そのままBlenderにインポートできるので、
あらかじめ背景や小物をBlenderでつくっておけば
すぐに撮影セットのように使うことができますよ!

Blenderで小物をつくって、完全3Dで統一感のある世界観に
例えば、ハンガーラックや床、壁などは簡単にモデリングできたり、
プリセットなどもありますので、すぐに準備することができます。
インポートして、ハンガーラックにかかっているように配置すれば、
展示会風な画像をつくることもできます。

レンダリングで「実物写真のような雰囲気」にもできる
Blenderでは照明設定も細かくできるので、
お好みの雰囲気を演出することもできちゃいます。
例えば、スポットライトと床材を使えば店舗風に。
壁や床を無機質なコンクリート素材にすれば、ミニマルなEC風に。
組み合わせ次第で、いろんな雰囲気が簡単につくれます!

実際にやってみた:服 × ラックの3D展示
それでは簡単な手順をご紹介していきます。
使用アイテム
Blenderでつくった簡単なラックと床と壁素材
ライティング設定
1.VStitcherで服をOBJ形式で書き出し
今回は、OBJ形式でTシャツを書き出してみます。
もちろん、Blenderに対応している別の形式でもOKです。

2.ラックや背景をBlenderでモデリング
次にBlenderでモデリングをしていきます。
今回は詳細は省きますが、立方体や棒のモデルを組み合わせて
簡単なラックをつくってみました。
実際の家具の画像などを参考にしてつくってみると、
リアルな感じにできると思います。

3.Blenderに3D服をインポート
3D衣服をインポートしたら、ラックに引っかかっているように
位置や角度を調整します。

4.ライトとカメラを設置してレンダリングの準備
ライトがんがん設置していきます。
ちょっと多いかな??くらいでも意外と大丈夫です笑
実際の写真撮影のライティングと考え方をほぼ同じなので、
撮影風景の画像などを参考にするとよいと思います。

こんな感じで四角い枠みたいな部分がライトです。
天井のライトと横からライティングしてみました。

こちらが実際にBlenderでレンダリングした画像です。
ちょっと1枚だけでさみしいですが、しっかりレンダリングできました。
背景合成と比較してみる
Blender合成のメリット
光や影が自然につきやすく、全体で統一感がある
質感が均一でより自然に見える
カメラアングルを調整できる
背景合成(Photoshopなど)のメリット
素材画像があれば、気軽にできる
AI機能を使えば背景素材も手に入る
特に、Blender合成は
「展示会」「社内案内」「ブランドビジュアル」のような
リアルに見せたい場面に強いです。
まとめ
3Dで「吊るし+空間」まで表現できる時代
ハンガーがけで服単品の良さが伝わるなら、
ラックや空間と組み合わせることで、
ブランドの世界観までみせることができますよ。
服はつくるだけではなく、
魅せるところまでデジタルで完結できるのは、
アパレル3Dを取り入れる大きなメリットのひとつです。
次回予告
次回は、このような3DビジュアルをECや営業資料、
展示パネルなどにどう活用するかを紹介しようと思います。
それでは、また次回~

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