VStitcher × AIでオリジナルプリントTシャツ作ってみた【VStitcher編②】
- 3D担当
- 3月26日
- 読了時間: 8分
更新日:4月2日

はじめに
今回では前回作ったAIデザインのグラフィックを、3DシミュレーションアプリVStitcherでデザインとシミュレーションを行っていきます!
この記事では、デザインからプリントまでの流れの真ん中部分の3Dシミュレーション部分を解説します。
具体的な内容は、以下の通りです。
グラフィックの位置や大きさの調整
Tシャツのフィット感の確認
3D画像を書き出してイメージの共有
3Dシミュレーションを使うと、実際に作る前に「なんか思ってたのと違う。。」「サイズが合わなかった」といった問題を回避することができます。他にもメリットがたくさんあるので、解説する中で紹介していきます!
使用したツール
Illustrator(Adobe) 生成ベクター機能を使用してオリジナルのグラフィックデザインを生成し、Tシャツにプリントするデザインを作成します。
Whisk(Google) プロンプトを細かく書かなくても、画像を組み合わせて新しい画像を生成してくれます。プリントデザインの生成に使用します。
VStitcher(BrowzWear) この記事で解説 3Dアパレルシミュレーション&デザインツール。今回はプリントデザインの位置調整に使用します。
キンコーズ 最終的にTシャツをプリントする店舗です。
目次
VStitcherでTシャツデータをダウンロード
VStitcherでは、プリセットでたくさんの衣服データがクラウド上に保存されていて、ユーザーは自由にダウンロードできます!
Tシャツ以外にも、パーカーやジャケットなどのスタンダードアイテムや、3D上で衣服を着せるモデル(アバター)データもたくさんあります。

今回はメンズアイテムのTシャツにして、男女モデルで比較もしていきます!
他にもVネックやポロシャツなどもありますが、今回はプリント屋さん(キンコーズさん)で販売しているTシャツっぽいデザインにしました。

ダウンロードしたデータをVStitcherで開くとこんな感じで、2D(パターン、型紙)と3Dに分かれて表示されます。

グラフィックの配置と調整
ここからVStitcherにAIグラフィックを追加して、デザイン作業をしていきますよ!
VStitcherにAIグラフィックを追加する
VStitcherにAIグラフィックを追加しましょう。
「マテリアル」→「図案のハンバーガーアイコン」→「追加図案」から、前回作ったAIグラフィックを追加しましょう!

AIグラフィックを配置する
次に追加したAIグラフィックをTシャツの上に配置しましょう。
とりあえず何も考えずに、ドラッグアンドドロップでTシャツの上にどーんと置きます。

印刷用に書き出したグラフィックなのでかなり大きいですね。。ここからサイズを調整していきます。

キンコーズさんによると、印刷サイズは「最大28×36cm」または「最大21×29cm」のようです。とりあえずこの2つのサイズをVStitcherで試してみましょう。
まずは「28×36cm」を試しましょう。右側のサイズから広さを360mmに指定します。

次に「21×29cm」はどうでしょうか??

28×36cm(上)は大きくプリントできてますが、ちょっと脇部分で隠れちゃってますね。。一方、21×29cm(下)は少し小さいですが、すっぽり収まってます。大きさは「21×29cm」で進めて行こうと思います!
3D画面をよーく見てみると、Tシャツ生地にプリントしたような質感がちゃんと表現されています。画像だとわかりにくいですが、しっかりと生地の編み目の凹凸感が再現されてます。

グラフィックの位置調整
次にグラフィックの位置を調整してみようと思います。
何も考えずに前身ごろに配置してみましたが、後ろ身頃はどうでしょうか??

先程と同じように、グラフィックをドラッグアンドドロップで後身頃にも配置してみました。
ど真ん中だとボトムスを履いたときにバランスが悪そうなので、もう少し上に調整してみましょう。
マウスでグラフィックをドラッグして直感的に位置調整もできますが、数値を指定して調整することも可能です。
後ろの衿ぐりの真ん中(BNP)から下に130mm(13cm)の位置に調整します。右側の位置のY軸(上下方向)に130mmと入力しましょう。

ついでに前見頃も前衿ぐり中心(FNP)から下に80mm(8cm)に調整しましょう~

だいたい前後で同じくらいの位置になりました。3Dで確認すると、実際に着た感じで確認できるのでわかりやすいですね。

ほぼ紹介のため後ろ身頃にも配置してみましたが(笑)、流石に前後どちらにもプリントがあるとくどいので、今回は前身頃にのみプリントすることにしました!

おまけ
今回はまっすぐにプリントしますが、VStitcherではグラフィックを回転させて配置することもできますよ~
グラフィックに対して、エフェクトをかけてビンテージプリント風に見せることもできます。

男性&女性Mサイズ比較
次に男女モデル(アバター)での着装の違いを比較していきましょう!
Tシャツは男女兼用のものも多いので、同じMサイズで比較をしていきます。
アバターのサイズ調整
まずは女性のアバターを呼び出します。
今回は一般的な?女性アバターのOliviaさんをお呼びします。そのままだと少し大きめな方なので、ちょっと小さくなってもらいます。
アバター編集で、身長やバスト、ウエストなどの寸法を調整できます。今回はざっくりMサイズ(9号)くらいで調整していますが、バストやウエストはもちろん、細かなパラメータ調整や姿勢調整もできますよ!

女性アバターに着せ替え
先程の男性アバター(Oliverさん)が着ていたTシャツ部分のみ呼び出して、Oliviaさんに着せ替えます。

3Dギズモというツールをつかって適切な位置に調整します。
画像では伝わりづらいですが、クレーンゲームみたいな感じです??
調整できたらシミュレーションして、着せ替え完了です!

男女アバターで比較
さあ、女性アバターのOliviaさんにも着せたので男女比較しますよ~VStitcherの「3Dレビュー」という機能を使って、同じ画面ないで比較をします。

全然違うサイズに見えますが、同じMサイズです。Tシャツの場合、丈感やフィット感の確認が視覚的にわかりやすいですね。
他にも3Dならではの比較として、着圧マップで着心地を確認することもできます。色が赤に近づくほど(暖色)着圧が高く、白になるほど(寒色)着圧が低いことを示しており、色がない透明なところは肌に触れていません。見た目だけではわかりにくい、衿まわりや腕まわりのフィット感を確認するのに便利ですね。

3D画像を書き出し(レンダリング)
ここまでできたら、いよいよ画像に書き出してイメージの共有をしましょう!
男女着装比較画像の設定
まずは画像のサイズや画角の設定をしていきます。


これらの画像をPhotoshopなどで並べて比較画像を作ってみました!

Tシャツ単品画像の設定
次にTシャツ単品画像を書き出してみます。
さっきはアバターが写っていましたが、単品画像ではアバターなしにしてみます。

同様に単品画像も並べてみました~
商品画像としてECサイトに掲載したり、提案資料用の素材画像として使用したり、、活用方法はたくさんありますよ。

まとめ
今回はVStitcherを使って、プリント位置や男女着装の比較などを行ってきました。
プリントの大きさや位置を3Dシミュレーション画面で確認することで、プリントするまでわからなかった着用イメージが事前に確認できるので、サンプルを作らなくても商品イメージを簡単に共有できますね!
そうして作った3DTシャツを画像として書き出すことで、撮影なしでECサイトへの掲載や提案資料用の画像を用意できます!3Dを活用すると、サンプル作成の回数を減らしたり、商品撮影の手間を減らしたりすることで、時間やコストの節約に繋がります。
次回は、いよいよ実際にTシャツにAIグラフィックを印刷しに行きます!今からめちゃくちゃ楽しみですね。。!
これからも3DやAIを活用した、これからの服作りについて紹介していくので、この記事が気に入ったらフォローをお願いいたします!
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